こんにちは。いっしーです。
2/11(土)に開催された名古屋Ruby会議03に参加してきました。
Rubyといえば、Misocaとは切っても切り離せない関係です。
名古屋Ruby会議03でもスポンサードしたり、Misocaメンバーが実行委員や発表者として参加しました。
そして、なんと今回は大須演芸場での開催。 私は11月にRubyを始めたばかりなので、楽しめるか不安な部分もありましたが、 発表内容はもちろん、演出もとても凝っていて面白かったのでレポートしたいと思います。
会場は満員御礼状態
当日は非常に寒く、朝から雪がちらついていました。そんな中、演芸場前では今回のスポンサー企業ののぼりがずらりと立っていました。弊社の正式名称は「株式会社Misoca」ですが、会場の雰囲気に合わせて漢字表記にしました。
中に入ると左右正面に赤提灯、舞台には見台とスクリーン。これまで参加してきた技術系イベントのどれとも違う、とても風情の感じられる会場でした。
参加者は70名程度で県内と県外で約半々。とはいえ、顔馴染みの方も多いようで、発表以外の時間もみなさん積極的に交流していらっしゃいました。
席は午前中は1階の座席のみでしたが、お昼からは2階の桟敷席も開放されました。
お昼休みの2Fの桟敷席 #nagoyark03 pic.twitter.com/IAfUGlW929
— Kakutani Shintaro (@kakutani) 2017年2月11日
また、演芸場という会場柄、飲食やカジュアルなドリンク*1も嗜むことができるということで、それらと共に2階に消えていく方もちらほら。
いい意味で常識破りなイベントに期待が高まります……!
印象に残ったセッションはこれ!
Ruby/Railsはじめてチームの力をメキメキつけた!(小芝さん)
このセッションでは、RubyやRails未経験メンバーのみで構成された開発チームが、1ヶ月でスループットを6倍にするまでの取り組みについて紹介がありました。 私自身がRubyもRailsも初心者なので、どういった取り組みをされたのか非常に気になりました。
具体的には、以下の取り組みを行ったそうです。
- issueを終わらせる
- ペア作業習慣をつける
- デプロイ方法の統一
- 開発環境の統一
- ドキュメンテーション
ペア作業習慣については、先週のMisoca開発ブログでもペアプロのノウハウがいくつか紹介されましたが、
発表の中で印象に残ったのは若手同士でもペア作業を行う、というものでした。
普通に考えると 自分よりも技術に理解のある人と組むものだと思っていたので、目から鱗でした。若手は一人で作業していると煮詰まりがちなので、ナビゲータが「別の人に質問しにいこう!」ときっかけを作りやすい、という理由には納得でした。
また、次のNGワードを使わないというルールを定めたそうです。
- 当然
- 普通
- 当たり前
わからない人にNGワードを言っても話が先に進まないだけでなく、質問することに対して不安が生じてしまうため、良いことは何もない、というお話で、確かにな〜、と思いました。ペア作業習慣のところで「普通に考えると」を取り消したのはそういう意図でした。
どの取り組みも具体的で、気軽に真似してみようと思えるものばかりでした。
ぺろぺろ: Github pull request bot framework(mzp)
Misocaからは@mzpが登壇しました。
このタイミングで名古屋Ruby会議のチケット確認したら「登壇者はチケット不要です」と書いてあることに気がついた
— mzp (@mzp) 2017年2月11日
内容は、GithubのPull Request通知をslackのbotに流すフレームワークについてで、Misocaでの使用方法も交えて紹介されました。発表スライドはこちらをご覧ください。
発表中、まくら(イントロのこと)が終わった段階で「足が痺れた」と足を崩し、twitter上で一斉にツッコミが入る様がいかにもIT系イベントな感じで好きでした。 また、それを見て、どこからともなく座椅子を出してくれる運営の方の気配りがすばらしかったです。
Fight with growing data on Rails(joker1007さん)
@joker1007さんのセッションではRailsとデータベースに関する知見が紹介されましたが、「お金をつぎこめばスケールできる基盤に早いうちからしておくことが大事」という言葉が印象に残りました。
プロジェクトのスケジューリングについても似たような話を聞いたことがあるので、「〇〇(リソース)をつぎ込めばスケールできる××にしておくことは大事」はテンプレート化できるのかもしれないですね。
永和システムマネジメントさんのスポンサーLT
@yucao24hoursさんのスポンサーLTが、スライドを使わず語りのみで、本物の落語のようで格好良かったです。
ESMの歴史を聞いてる。話すのがうますぎる #nagoyark03 pic.twitter.com/QglegiKx2D
— とよし / Misoca (@toyoshi) 2017年2月11日
2017年、この演出がすごい
会場に合わせた演出がすばらしかったです。
寄席文字のめくり
寄席文字さいこう #nagoyark03 pic.twitter.com/IT3jB8RpOU
— Kakutani Shintaro (@kakutani) 2017年2月11日
寄席文字は、橘流寄席文字というもので創始者の直弟子の人が書いてくれたものだそうです。すごい…!
発表者登場時の出囃子&太鼓
出囃子があるので必然的に入場で拍手になるし、発表者が正座 #nagoyark03 pic.twitter.com/6YkS7SagHz
— とよし / Misoca (@toyoshi) 2017年2月11日
出囃子は音源でしたが、太鼓は生音だそうです。どおりでセッションを重ねるごとに表現力が増していたわけです。納得。
発表が「まくら」「本題」「オチ」の構成になっている
写真は須藤さんのセッション。
大喜利(パネルディスカッション)
大喜利という名のパネルディスカッションは、見た目も笑点さながら。
内容は始めこそ「今回のRuby会議の感想は?」とパネルディスカッションらしいものでしたが、途中から本当に大喜利になっていて面白かったです。
お題「『すごーい』といってください。『何がすごいんですか?』と聞くので、入ったすごい機能を答えてください」
みずぴー「すごーい」「何がすごいんですか?」「速度が3倍になりました」
— 黒曜@技術書典2 か-13 (@kokuyouwind) 2017年2月11日
須藤さん「すごーい」「何がすごいんですか?」「matzが年2回コミットしてるよ」 #nagoyark03
大変笑わせていただきました。
光る細かい芸の数々
他にも、
- まくらのあとに羽織をするりと脱ぐ
- 噺の区切り区切りで小拍子をカーーンッってする
- 発表者が去ると、透かさず運営メンバーがめくりをめくりに現れ、次の発表者のために座布団を裏返して舞台裏にもどっていく
など、細かい芸が光っていました。
正直なところ、演芸場は敷居が高く近寄りがたいイメージがありましたが、 今回の細かな演出や周りの観客と一緒にわいわい噺を楽しむ様子を経験したことで、普段の演芸場にも足を運んでみたくなりました。
大須演芸場は一度閉鎖したものの、復活して頑張っている演芸場です。今回が初めてのIT系イベントだったそうですが、是非今後も使ってほしいとのことでした。
名古屋Ruby会議03の演出や大喜利など当日の様子が気になった方は、twitterの#nagoyark03を遡ってもらえると雰囲気が伝わってくると思います。
自分が発表する機会に参考にしようと思ったTips
発表者の方々の発表方法も勉強になりました。自分が発表する機会がきたら使いたいと思います。
須藤さんや三浦さんの発表から
デモをするときは、「デモ」と書かれたスライドの他に、デモで実際に実行するコマンドと実行結果を載せたスライドを用意しておく。 こうすることで、デモが動かないときも発表を続けられ、さらに実行するコマンドを忘れた時のカンペにもなる。咳さんの発表から
スライドの話題転換時に、あえて「少々お待ちください」と書かれたスライドを入れる。 そのスライドの右下には「羽織を脱ぐ」や「時間を確認する」など、その時々でやることを書く。 こうすることで、発表者は状況を、聴衆は情報を一息ついて整理することができる。 これは界隈では「原メソッド」と呼ばれていて、とちぎRuby会議01の原さんの講演で広く知られるようになったそうです。
まとめ
初参加のRuby会議でしたが、次回も参加したいと思えるイベントでした。 ただ、自分の知識不足も痛感したので、勉強を続けていきたいです。
私の失敗だった条件演算子(?:)とif式の話が引用されただけでなく、咳さんの講演でネタとして昇華されて報われた気持ちになりました。
Misocaではif/elseと条件演算子の使い分けに一家言あるエンジニアを募集しています。
*1:業界用語でビールのことを指します。