Misocaサービスの機能利用率見える化をしました

こんにちは。弥生Misocaチームでマーケティングを担当しているnezurikaです。

今回は、Misocaサービス各機能の利用率見える化をしたお話をしたいと思います。

プロジェクトの立ち上げ

この取り組みは「顧客分析をしたい」という一言から始まりました。

Misocaでは、Redashを利用してサービスに関する様々な数値をダッシュボードで見れるようにしています。

そのダッシュボードでは、新規登録者数の推移や、MAUの推移、総ユーザー数など「過去+現在」の数字が見れるようになっていました。
もちろんこれらの数字からも改善のヒントを得ることはできていたのですが、「いま」明確にどんなユーザーがMisocaに価値を感じてくれているのか分からない、などの課題を解決することはできませんでした。
そこから、最終的にMisocaの優良顧客が何に価値を感じているかを可視化することをゴールに顧客分析プロジェクトがはじまりました。

ただ、ゴールは決めたものの「現状知らない・決まっていない」ことが多かったため、このスコープではいま利用してくれているMisocaユーザーの各機能の利用率を可視化することになりました。

Misocaサービスを知る

「Misocaのユーザーは何に価値を感じてくれているのか?」を調べることになりましたが、今回のプロジェクトメンバーは社内でも社歴の浅いメンバーだったので、そもそもMisoca自体がどんな価値を提供したくて立ち上がったサービスなのかをきちんと把握できていませんでした。

そのため、まずはMisocaの歴史を知ろう、と思い、創業者が残していたMisoca開発ストーリーを読み解いて、当初のターゲット・提供したいと考えていた価値をまとめました。
そして、それらと比較して今はどんな価値を提供できているのか、ということもまとめました。

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これにより、Misocaが今までどんなサービスで、どのように変化して今はどんな価値を提供しようとしているのかがわかりやすくなりました。

Misocaの場合は

  • 作成
  • 発送(発行)
  • 管理
  • 取引先

というカテゴリができていることがわかったので、それぞれのカテゴリで、Misocaでユーザーに提供できている機能を洗い出しました。

一例

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機能を定義する

「請求書の作成」や「請求書の複製」という機能を洗い出したものの、このワードだけでは人によって解釈が異なってしまう恐れがありました。

また、この機能が使われている、と判断するには一体どんな動作をしたら「使った」と言えるのかも定義しておかないと実際の計測ができないため、さらにここから「どうしたら」使ったと言えるのかもすべて書き出しました。

一例

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Misocaの機能は、「取引先の登録」のように、何度も使う可能性のある機能と、「自社情報の登録」のように一度設定したらそのあとはめったに変更することのない機能があります。

それらの機能についてもそれぞれ記載しました。

機能ごとの利用ユーザー数をだす

どうやって計測するか決める

機能を洗い出す前に、機能の利用率をどうやって測るかということも決めていました。

前提として、今回は「現在のユーザーが何の機能に価値を感じているかを知る」ために行います。
それを踏まえて、利用率を出して実際どのように使うかを考えました。

  • 過去(指定した期間)の数字や、今の数字を知りたいときに調べる・見る
  • それを元に、未来(施策実施後)どのような数字になるかの目安がわかるようになる
  • 施策後に数値に変化がでたのか確認できるようになる

という3つがあがりました。

そこからもっと具体的な利用イメージを考えて、「◯月〜◯月の間にログインしたユーザーのうち、〇〇の機能を利用したユーザーの割合」というものを想定することができたので、

  • 集計期間を絞る
  • その期間のうちに機能を利用したユニークユーザー数をだす

という2点を集計で出せるようにしました。

利用率の前に、どれぐらいのユーザーがその機能を利用しているか知る必要があったので、各機能の利用者数と、分母とするアクティブユーザー数(今回の場合は一度でもログインしたユーザーを指しています)をRedash(SQL)とGoogle Analyticsでだしました。

基本的にはSQLでの結果を見ていくつもりではいましたが、計測したい数字すべてを出せるわけではなく、「これはGAで取ったほうが楽なのでは?」「SQLでは取れないけどGAでは取れる」という数字もあったため、両方の数字を見ることにしました。

ただ、SQLとGAでは若干数字に誤差がでる懸念がありました。
そのため、

  • 分母と分子はそれぞれ同じ条件(SQLならSQL、GAならGA)で計測したものにする
  • GAとSQLの「数字」同士での比較はしない

という決まり事をつくりました。

数字の抽出をする

SQLは、エンジニアにチェックや助言をもらいながらもデザイナーがガンガン書いていました。すごい。

GAは、スプレッドシートにGoogle Analyticsのアドオンを追加し、レポートを作成してそのあとは日付を変えたら自動で取得するようなものを作りました。

最終的にはRedashで出した数字もスプレッドシートにまとめるようにし、一覧で利用率がわかるようにしました。

一覧の一部

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もちろん自分たちが知りたい、というところからはじめたプロジェクトですが、自分たち以外の人も簡単に使えるようにならないと今後の業務に活かせられないので、簡単で分かりやすいものができるようにする点は意識しました。

利用率の見える化ができた

最終的には、このプロジェクトで作ったものを社内のメンバーに共有をして一旦は一区切りです。

最後の利用率の一覧もですが、プロジェクトの最初に作ったMisocaの価値についての表や、機能の定義なども共有をしました。

このプロジェクトの当初の目的には入ってはいませんでしたが、改めて「機能」を定義しまとめることができたり、過去提供していたものから、数年が経ちどのように今は変化しているかを把握できたこともこのプロジェクトで良かった点だと思っています。

今後

ダッシュボードなどの数字見える化プロジェクトは、出しただけではなく運用にのせることが一番大変だと思っています。

また、今回はあくまでも定量データに関する取り組みを行いました。

ユーザーに価値を与えられているか、機能がちゃんと使われているかというのは定量データだけではなく定性データとも組み合わせることでようやく把握できるものだと思っているので、今後Misocaでは定性データへの取り組みもすすめていく予定です。

最後に

Misocaではわたしたちと一緒に顧客分析もすすめてくれるデザイナーを募集しています。